vol48: V2Xの言葉たち2: 車との通信相手は??
V2Xは、vechicle to everything の略だが、everything にはどんなものがあるか?具体
的に見ていこう。
V2VとV2Iが先行して、開発が進んでいる。 追って、V2NやV2Pといった位置付け。
V2V (Vehicle-to-vehicle)
- 車vs車通信。車車間通信という
- 大きく分けると2種類の用途で使用
- 死角での事故回避
電波を利用して、死角から接近する車を検知し衝突を防ぐ。 - 後続車への情報通知
- 道に障害物があった場合にそれを後続車に通知
後続車が安全に障害物を避ける - レーダークルーズコントロール
先行車両の情報を活用して適正な車間距離を保つ - 救急車などの緊急車両の接近を通知
- 前方を走る路線バスから乗降客への注意を促す情報が通知
- 道に障害物があった場合にそれを後続車に通知
- 死角での事故回避
- 問題点
- V2Vは対応車両間での通信しかできないため、V2Vに対応した車が増えるまでは
あまり効果は見込めない
- V2Vは対応車両間での通信しかできないため、V2Vに対応した車が増えるまでは
- その他
V2I (Vehicle-to-Infrastructure)
- 車vsインフラ。路車間通信
- 自動車と路上設備で通信を行う
- ITS(Intelligent Transport Systems、高度道路交通システム)の一つ
道路沿いなどに敷設された通信装置(路側機)と、走行する自動車に搭載された車載器
との間で行われる狭い範囲(数m~30m程度)を対象とする無線通信を指す
信号機との通信で、「青信号まであと何秒」といった情報の取得もV2Iの一例だ。 - 現在の代表例は、ETC(自動料金徴収システム)
- 通信方式として、5.8GHz 帯域のDSRCを使用
- ETCは高速道路料金支払として、サービスが開始されたが、
2009頃から「DSRCサービス」として、ETCに加えて情報提供サービスを始めた。
2014/10より「DSRCサービス」から「ETC2.0」へと改名
V2N (Vehicle-to-network)
V2P (Vehicle-to-Pedestrian)/V2D (Vehicle-to-device)
- 歩車間通信
- 歩行者のスマートフォンを活用し、自動車を運転する人と、その前を通る歩行者に、 両者の存在を警告し、安全確保を行う
- GPSを使った位置情報の取得や、高齢者など弱者情報の取得、あるいは走行している自 転車の速度や進行情報・位置情報なども対象になる。プライバシーの問題にも配慮が必 要。
前述のV2V, V2I, V2N, V2P/V2D が基本だが、これらを拡張して、V2G, V2H, V2L といっ
た言葉も出てきている。
これらの言葉は通信というよりも、車からの電力供給のためのもの。
電気自動車を「乗り物」としてだけではなく、電力の需要と供給のバランスを助ける「イ
ンフラ」として活用する考え方。
V2G (Vehicle-to-grid)
- 電力網を対象
- 電気自動車を移動手段として使わない時に,車に搭載された大容量の蓄電池を電力貯蔵
設備として利用する。スマートグリッドに電気自動車を接続することで、電気自動車に
蓄積した電力をほかの場所でも使えるようになる。
V2H (Vehicle-to-home)
- 電気自動車に搭載された蓄電池のエネルギーを宅内で利用する
停電時や電力が足りない時に家庭に供給
V2L (Vehicle-to-Live)
- 電気自動車から家電(電気製品)
なるほど。数年前はV2VかV2Iくらいしか言葉を聞かなかったけど、今はこんなに言葉が増 えているのか。