vol64. iPS細胞の現状

前回調べたiPS細胞。
興味が出てきて、いろいろ過去のニュースとか特集記事を読んでみた。

iPS細胞の現状はどうなっているのか?
臨床例はあるのか?そして、現在の状況と今後の展望は?

先に結論から書いておくと、
1. ES/iPS細胞を用いた再生医療は多くが臨床研究段階
2. 再生医療を今後広く利用するためには、コストの削減や免疫拒絶反応回避などの技術革新が必要

まだまだ道半ばなんだね。
まずは、実際の臨床例から見てみよう。

臨床例

iPS細胞を使った再生医療の臨床研究や治験例は既に数件ある

  • 理化学研究所

    • 加齢黄斑変性
      • 視力の低下を引き起こす病気
      • 2014/9 患者本人のiPS細胞で
      • 2017以降 他人のiPS細胞で5人に
      • 2019/4 安全性の確認を発表
  • 京大

  • 大阪大

    • 心不全
      • 心筋梗塞などで痛んだ心臓の幹部に、iPS細胞を培養し増やした心臓のシートを
        貼り付け
      • 2019 治験開始
  • 慶応大

    • 脊髄損傷
      • 2019 臨床研究開始

成功例がたくさんあるなぁ。
結構実用的になってきてるみたい。

現状と今後の展望

臨床成功例もいくつか上がっている。
でも、そうすると何が問題なんだろう?

iPS細胞の最大の魅力は、自分の皮膚から万能細胞を作れるということだったが、それをすると時間と多大なお金がかかり、実用的でないらしい。(とある臨床例では、1年間の時間と1億円の費用がかかったらしい)

 

その問題をクリアするためにiPSバンクを設立し、ある程度汎用性の高い拒絶反応の起こりにくい人のiPS細胞をあらかじめストックしておくという活動が進んでいる。 (そのような人を、HLAホモドナーとよぶ。HLAホモドナーは500~1000人に1人しか存在しないため、見つけ出すのが難しい。)

Newspicksの記事によると、現在、4種類のHLA型のiPS細胞で、日本の人口の40%程度をカバーできるものが整っているとのこと。

さらに27種類のHLA型もメドが付いており、日本人の60%程度をカバーできるところまできている

だが、日本人の90%をカバーするには、140種類のHLA型のiPS細胞が必要であまり現実的ではないらしい。
(世界の大半をカバーするとなると1000種類以上のHLA型が必要になってくる。)

そこで、京大では、ゲノム編集技術を用いて、拒絶反応のリスクが少ないiPS細胞の作成の研究に取り掛かっている。

 

しかしながら、やはり最も適合するiPS細胞は患者の細胞だ。
そのため、将来的には、マイiPS細胞を「2025年頃には1カ月以内に、100万円程度で作製が目標」と山中先生は話している

その他

再生医療は、ES細胞、体性幹細胞、そしてiPS細胞といろいろな方法がある。 でも、実は、日本ではノーベル賞受賞後、研究がiPSに偏重した節があるらしい

  • 本来ならば、ES細胞だけ、iPS細胞だけではなく それぞれの分野でそれぞれのアドバンテージを考えて適材適所で考えるべき。
  • ES細胞とiPS細胞は、細胞株の樹立方法以外、全ての利用方法とノウハウ・特許が共通な、「1つの分野」
    ESとiPSの両方を含む、「多能性幹細胞」という分野で世界をリードしていなければ、意味がない。
  • 世界的には、iPS細胞の誕生以降も、ES細胞の研究は続いている

といった声も。

感想

小さな実験を何十も何百も積み重ねて、その結果を検討し、
予想を立ててまた行く幾重もの実験を重ねる。
それは、とても地道な作業だと想像する。

そういった点で言うと、ソフトウェアの開発はとても快適な環境だなぁ。
プロセスは同じだけど、すぐに結果が出ると言う点で異なる。

 

何はともあれ、ES細胞組もiPS細胞組もお互い協力しあって頑張って欲しいー。

がんばれiPS !!
がんばれES !!
がんばれ日本!!

参考