vol45. 本庶佑さんの開発したがん治療法について整理してみた

ノーベル医学生理学賞に、本庶佑(ほんじょたすく)さんが受賞。
聞けば、がんに効く薬を発明されたとか。
すでにその薬も実用され、多くの人がガンを克服し、健康を取り戻しているとか。
いやぁ、素晴らしい。

この薬が普及すれば、抗がん剤で苦しむ人々もだいぶ少なくなるのではないか?
そして、現在の死因1位ががんという状況も変わってくるのではないか?

どんな方かを調べて見た。

本庶佑さん

  • 76 歳 (2018/10現在)
  • 京都大
  • 1999年10月、京大医学部長だった本庶さんは既にノーベル賞の有力候補だった
  • 92年に今回の授賞理由ともなったPD-1を発見以来、毎年のように有力候補として注目されてきた

受賞理由は、PD-1という分子を発見したこと

今回の受賞の理由は、PD-1という分子を発見し、がん免疫治療法の急速な進歩に寄与した
事に対するものだという。

PD-1とは何か?調べたら、どうやら以下のようなものらしい。。。。

  • PD1

    • 免疫細胞(T細胞)の表面に発現する
    • 免疫細胞表面に存在するPD-L1と結合することにより、がん細胞を攻撃する免疫細胞
      に、攻撃ブレーキをかける分子
      • 免疫は暴走して自分の臓器や神経を攻撃しはじめることもあるので、そう
        ならないようにブレーキ機能がついている
  • PD-L1

    • がん細胞の表面に発現する分子
    • PD-1と結合する事で、T細胞の活性化を抑止する

がんが生き残るしくみ

がんの全体のメカニズムとしては、以下の通り
- がん細胞ができる。
- 免疫細胞(T細胞)は、他の悪性細胞と同様に、がん細胞を攻撃する
- がん細胞は、免疫細胞から身を守るため、免疫細胞をストップさせる分子(PD-L1)を出す
- このPD-L1と、免疫細胞の表面にあるPD1細胞が結合すると、免疫細胞の活動が抑制され
てしまう。結果、がん細胞は免疫細胞からの攻撃から逃れることになる。

そこで、この仕組みに目をつけ、オプシーボという新薬を開発した。

オプシーボ

  • ニボルマブ(商品名オプジーボ
  • 免疫チェックポイント阻害薬
    • PD-L1とPD-1の結合を阻害する抗体
      • PD-1にピンポイントで結合する抗体
        PD-1受容体すなわち受け皿に蓋(ふた)をして、PD-L1が結合しないようにする。

本庶佑さんが開発した治療方法は、従来のアプローチとは全く異なるアプローチだとか

従来のアプローチ

  • 従来のアプローチは、がん細胞を除去したり破壊したりするアプローチ
  • 手術で切り取るか放射線でぶっ壊し、あとは抗がん剤で追い詰める
    • 小さな取り残しが再発や転移につながらないように
    • でも、がん細胞は『死んだフリ』をして、抗がん剤の治療が終わったら、また動き始める
    • しかも抗がん剤は正常細胞まで大きくダメージを与える
      • がん細胞と闘う免疫細胞や抗酸化機能などの生体防御機能まで損なわれてしまう

まとめ

抗ガン剤に頼らなくても、回復する可能性があるなんて、なんて素晴らしいがん治療法なんだ!! 素晴らしい!!これで平均寿命も劇的に伸びるのでは??

参考

https://www.ono-oncology.jp/contents/patient/immuno-oncology/step3_05.html