vol68. ライダー(Lidar)とは
画像出典: https://velodynelidar.com/wp-content/uploads/2020/07/A-Guide-to-Lidar-Wavelengths-Velodyne-Lidar-AlphaPrime-1.jpg
ここ数年、Automotive の分野でライダー(Lidar)という言葉をよく聞く。
センサーの一種で、自動運転に必要だとか。。
レーダーという言葉ととても似ているが、どちらも同じような技術で、対象物の検出、
距離や速度の測定をするための技術らしい。
でもなんでレーダーじゃだめなの?
そもそも、ライダーって何?
そんなギモンを持ったので調べてみた。
詳しいことはたくさん記事がネットにあるから、この記事ではライダーとレーダーの
違いに注目して、得意不得意といった観点から、カンタンにまとめてみたい。
ライダーとは
レーダーは、電波をつかって物体を検出する装置。
ライダーは、その光バージョンだ。光をつかって、物体を検出する。
検出できるもの
電波よりも、より波長の高い光(赤外線領域)を使うことにより、より細かい物体を検出できる。
レーダーの分解能は、100メートルの距離で数メートル。
ライダーは、数センチ。ライダーは分解能が高いから、対象物の位置、サイズや形状を正確に判断することができる。
高速に光を走査し、スキャンすること(1秒あたり何百回もの周囲検知を行う)で、
自分の周囲の先行車・歩行者・建物などの距離や形状、位置関係を3Dで把握することが可能。レーダーは、対象物が、電波が効率よく反射する物体(金属等)でないと、うまく認識できない。
つまり、ダンボールや岩、人間といった非金属の検出は難しい。
でも、ライダーはダンボールや岩も人もOK。どちらも、あくまで何かがそこにあるという情報だけで、実際にそれがどんな材質かは
(ダンボールか岩かといった情報)判定するのが難しい。
天候
- レーダーは雨は通り抜けるけど、ライダーは雨だと精度がおち、雪や霧はもっと苦手。
距離は?
- レーダーは遠距離は強いが、近距離は苦手。(30メートル以下とかは難しい)
ライダーは中距離から近距離が得意分野。でも、遠距離用とかもあるらしい。
夜は
- レーダー、ライダーはどちらも夜でもOK
その他
- ライダーはガラスを感知できない
- ライダーは色情報(信号機の赤と青といったもの)を見分けられない
- ライダーは値段が高かったことが課題だった。
最近はだいぶ小型化し、メカニカルな部分もなくして、
安いやつもでてきているみたい。- スタートアップのルミナー(Luminar)が、わずか500ドルという低価格の
LiDARを発表 (2019/7)
- スタートアップのルミナー(Luminar)が、わずか500ドルという低価格の
- カメラやレーダーだけで、ライダーなしで自動運転を目指していいる企業もいる
- TESRA が代表的
- でも、一般的には、ドライバーが関与しないレベル4やレベル5の自動運転を目指すのならば、
冗長化の観点からも、ライダーは必須な技術と考えている企業が多い模様。
- ライダーは高級車にすでに採用されはじめている
- レベル2
- レクサス
- MIRAI
- skyline
- アイサイト
- レベル2
まとめ
なるほどー、カンタンにまとめると、
ライダーは
- レーダーよりも解像度が高い
だから3Dマップのようなものがリアルタイムにつくれる - レーダーで苦手な中近距離の物体の検出が得意
- 夜は赤外線をつかっているから問題なし
- 悪天候時は精度がおちる
っといった特徴がある。
今回は、レーダーとライダーの比較をしたけど、他にもカメラや超音波を利用した
ソニックセンサーなど色々なセンサーがある。
それらを組み合わせて、どんな天候や状況に直面しても問題のないよう
お互いに補完しながら、自動運転を実現しようとしているんだね。